梶尾温泉 梶尾温泉センター

熊本市北区梶尾町は標高70mほどの台地につくられている。分譲されたと思われる住宅が連なる傍らには畑や緑が広がる。
午後0時過ぎ、駐車場には穏やかな空気が漂っていた。偶然にも11年前、同じ日に訪れていた。




白壁の浴舎に入る。右手にある無口な受付で料金を支払う。浴室は左手に進んだ先にある。脱衣所には100円コインロッカーと脱衣棚が並ぶ。先客2人が服を着ていた。



高い天井、広々とした浴室では、陽光を受けて主浴槽の湯がキラキラ輝く。男女を分ける壁に沿う浴槽を満たす湯はうっすら黄金色を帯びている。左壁に洗い場が並び、主浴槽の手前に水風呂とサウナが用意されている。
浴槽の角に設けられたパイプ状の湯口、絶えず注がれる湯を手にとる。口に含むと炭酸水素塩泉に似た鉱物味が存在感を主張する。適温である。ゆとりある浴槽を溢れた湯は淵を越えて洗い場へ流れ去る。




戸外に出ると岩で組まれた露天風呂が用意されている。透明に近い色の湯だ。湯口の湯を口に含むと内湯と同様の味がほんのり舌に届く。植栽された緑に囲まれ風景を眺めることはできないが、冬陽のありがたさを感じての湯あみで心身の緊張が緩む。




シャンプー類が揃う洗い場にも温泉が引かれている。混合栓湯側の蛇口を開けると、程よい湯温の温泉が洗面器を満たす。
浴室の先客は一人、サウナを利用していた。


梶尾温泉 梶尾温泉センター
熊本市北区梶尾町1294‐2
096(245)0677
単純温泉
47℃
シャンプー類あり ドライヤーあり
内湯 露天風呂 サウナ 水風呂
430円
10:00~23:00
※別棟に貸切湯あり
2018/1/20

泗水ラドン温泉

菊池市と熊本市を結ぶ国道387号の途中、旧泗水町の中心部に差し掛かる場所に温泉施設がある。ラドンの表示が目を引く。



玄関を入ると自販機が行く手を遮る。入浴券を購入し右手の受付に座る女性に渡す。男湯は左手。脱衣所には10円コインロッカーが備わる。洗面台には2分10円のドライヤーも用意されている。



浴室は湯気が満ちていた。入って右手手前にかかり湯が用意されている。熱めの湯が満たされている。左手と右手見返りに洗い場が並ぶ。正面の窓に沿い浴室の3分の1ほどを浴槽が占める。
浴槽は二つに分かれる。小浴槽にライオン顔の湯口から湯が落ち、続いて大浴槽に流れ込む。大浴槽を満たした湯は淵に刻まれた溝から洗い場の床に流れ去る。小浴槽は熱め、大浴槽が適温である。




湯口の湯を口に含むと明らかな塩味を感じる。色はなく臭いも感じ取れない。大浴槽ではジャグジーが稼働する。洗い場にはシャンプーが並ぶ。250円の料金ながらシャンプー類が揃うとは驚きだ。洗い場にも温泉が供給されているようだ。



無言で脱ぎ着する先客は2人。浴室の先客は3人。午後1時を過ぎた時刻ながら賑わっている。後客も絶えなかった。


泗水ラドン温泉
菊池市泗水町吉富迫田2865-7
0968(38)4296
ナトリウム-炭酸水素・塩化物泉
47.6℃
シャンプー類あり ドライヤーあり(2分10円)
内湯
250円
6:30~22:30
2018/1/20

菊池温泉 旅館薬師湯

菊池温泉街から北へ走る県道133号を5分ほど走ると迫間川に接する。信号機を左折、橋を渡り200mほど進むと温泉宿の案内板が方向を示す。細い坂道を登り詰めると目的地だ。
平屋建ての宿の山側に駐車場があり台数に不足はない。立寄り湯を誘うような看板は見当たらない。おもむろに玄関を入る。左手に受付、カウンターには立ち寄り湯の営業時間や料金が書かれた緑色のボードが置かれていた。




浴場は右手。廊下を進んだ先にあった。奥行きのある脱衣所にはコインロッカーと脱衣棚が備わる。20円と格安なロッカーを利用する。
浴室は10畳間ほどの空間で、ジャグジー稼働の主浴槽が右正面に。左手にはサウナ、水風呂と並び、その先には電気浴槽と洗い場が配置される。右見返りにも洗い場が並ぶ。主浴槽の湯口を探す。浴槽の中から立ち上がる黒い噴水のような構造物から湯が注がれている。湯に臭いはない。色もない。思いに残る特徴を感じない。浴槽の淵に溝が刻まれている。溝から流れ去っていく湯量は限られているようだ。




電気風呂のある場所から戸外に出ることができる。露天風呂が用意されているのだ。岩で組み上げられた浴槽が限られた空間を埋めていた。湯口のある辺りは岩の形状を活かし寝湯として利用できるよう工夫されている。湯温は低めでゆっくりできる。高い場所に位置するため、竜門方面から菊池神社方面までの風景を望むことが可能だ。露天の湯口から注ぐ湯を口に含んでみた。弱い鉱物味をほんのり感じた。




常に3人から5人程度が浴室にいた。サウナを利用する人がほとんどだった。


菊池温泉 旅館薬師湯
菊池市大字西迫間字榎原164
0968(24)6003
アルカリ性単純弱放射能泉
41.9℃
ボディシャンプーあり ドライヤーあり
内湯 露天 サウナ 水風呂
300円
7:00~22:00
休:第1・第3・第5木曜日
2018/1/20

山川温泉共同浴場

数戸が肩を寄せ合うように集落を形成する山間の場所に、湯抜きのある浴舎が佇む。年月を重ねたと思われる共同浴場の姿に不思議な安堵感を覚える。車は歩いて1分も要しない地区の集会所の前に停めることができる。




アルミ製の扉を開けると脱衣所が現れる。改修されて久しい内部は整理整頓が行き届いて
いる。壁には料金箱、100円玉を3枚入れる。木製の棚と長椅子が置かれた脱衣所は浴室と仕切られている。ガラス越しに見える浴室には目に痛いほどの太陽光が差し込んでいる。




浴室には浴槽が一つ、洗い場はない。浴槽から湯を汲みあげて体を洗う。浴槽を満たす湯は冷めた体に程よい温度だ。
壁から突き出た鉄パイプ製の湯口は透明の湯を絶えず注ぐ。コップが置かれている。飲めるのだ。ほんのり玉子味を感じる。臭いはほとんど感じない。
浴槽の底には湯の花が堆積している。うっすら鶯色を帯びている。湯の中で手を動かすと湯の花は一斉に舞い、透明だった湯を白く見せる。身を沈め一人っきりで過ごす。なんと贅沢な時間だろう。



料金を支払わない人がいるらしく、料金の支払いを求める注意書きが掲示されている。残念で仕方がない。
改修される前から通いはじめて15年ほどの年月が過ぎた。地域の方々によって維持、管理されている施設をよそ者にも開放していただていることに改めて感謝。

この日の涌蓋山は雪をかぶっていた。



12月、すっかり冬の景色だった。


山川温泉共同浴場
阿蘇郡小国町北里字山川
単純硫化水素泉
泉温不明
シャンプー類なし ドライヤーなし
内湯
300円(子供150円)
~21:00
2017/12/13

杖立温泉 旅館泉屋

国道212号杖立トンネルが完成しバイパスが竣工する1993年2月まで、国道は杖立温泉の右岸側を通っていた。今も残るこの道から公共の駐車場へ行くことができる。駐車場を散策すると立ち寄り湯を誘う宿の看板を見つけた。木造3階建ての宿だ。

玄関を入り声をかける。右手の部屋からで来られた女性の方に立ち寄り湯をお願いする。浴場は左手奥、暖簾が下がっていた。脱衣所は小部屋のような空間で、至ってシンプルな印象を受ける。何もないということではなく必要なものが物静かに揃っているのだ。




扉を開けると浴場だ。迎えられた空間には屋根がある。浴室にだ。階段を数段下りると浴槽が待ち受ける。寝湯を備えた浴槽だ。木でこしらえた湯口からの「導湯路」からは透明無色の湯が注がれている。手にとることができることから、湯は適温に調整されているようだ。湯にこれといった臭いはない。口に含むと極弱い塩味を覚える。




凝った造りの内湯から露天岩風呂に向かう。露天は岩で組み上げられているようだ。湯口からは湯気を立てながら温泉が供給されている。狭隘な空間を活用した露天風呂からは植栽された木立と板壁の間を縫って杖立川を望むことができる。立ち上がることは必須ながら、風景を楽しみながらの入浴は露天風呂の必然である。




内湯の一角には蒸風呂の入口が用意されている。小さい扉だ。杖立温泉ならではのサウナだ。もう一つ扉がある。超音波風呂の表示ある。扉の先にはもう一つ浴室が用意されていた。高い天井に支えられた空間は杖立川に望み一面ガラスが用いられ明るい。上部の透明ガラス窓からは杖立の風景を望むことができる。穏やかな風景だ。浴槽に満たされる湯は屋根のある内湯と同様、無色透明で無臭だ。



500円で内湯二つ、露天、蒸風呂と4つの湯が楽しめる。限られた空間で杖立の湯を楽しんでもらおうとする宿の工夫と志が伝わるようだ。


杖立温泉 旅館泉屋
阿蘇郡小国町下城4179
0967(48)0021 HP
塩化物泉
89.5℃
シャンプー類あり ドライヤーあり
内湯 露天
500円
8:00~21:00
2017/12/13

杖立温泉 かねいし旅館

筑後川に設けられた松原ダムに流れ込む杖立川、大分県と熊本県の県境から上流に向けて湯けむりの町が佇む。宿や飲食店は急傾斜地にへばりつくように建ち並ぶ。川岸は通路や駐車場として整備され、車の置き場所に悩むことはない。
川に面した左岸の通りに宿が立ち並ぶ。その一つに立ち寄り、温泉をお願いした。




スリッパを履き左手に折れて進むと浴場である。脱衣所は4畳ほどの空間、木製の棚と洗面台が迎える。戸外の寒さを忘れるように暖かい。掲げられた温泉分析表には94.9度の表示、沸騰に近い温度だ。杖立温泉には蒸風呂がある。サウナのようなものだ。複数の旅館で見ることができる。100度近い温泉が湧出することを利点として活用した施設だ。かねいし旅館にも設けられていた。



浴室内には暖気が満ちている。湯気ではなく暖気である。浴室には5~6人が一度にはいれそうな浴槽が右隅に一つ、左の壁に洗い場が並ぶ。手前右側に蒸風呂が配置されている。
浴槽の外にはもう一つ浴槽がある。空っぽだ。冬は湯がはられないようだ。戸外とは目隠しで隔てられているが、寒気は入り込みそうだ。




内湯は変形五角形の浴槽で、無色透明の湯が満たされている。注がれている湯は激熱というわけではない。温度調整された湯が湯口から供給されているようだ。浴槽を満たした後の湯は淵に刻まれた窪みから流れ去っていく。



浴室からは杖立の眺めを楽しむことはできない。杖立温泉といえば4月から5月にかけてのこいのぼりが風物詩だ。湯につかりながら眺めるのも一興かもしれない。


杖立温泉 かねいし旅館
阿蘇郡小国町下城3358
0967(48)0341 旅館組合HP
ナトリウム-塩化物泉
94.9℃
シャンプー類あり ドライヤーあり
内湯 露天(冬場は休み)
500円
9:00~20:00
2017/12/13