寺尾野温泉 薬師湯

小国町の中心部から8kmほど東方向の山間に寺尾野という地名の場所がある。杉木立と狭い水田が描き出す集落の外れには黒い下見板壁の浴舎が立つ。共同浴場だ。



浴室と脱衣所が一体となった空間は板壁で男女を分ける。浴槽は2槽に分かれているように見えるが、手前の広い浴槽は男女が一つの浴槽を利用する。
料金は100円。料金についてのお願い書きの下にあるステンレス製の料金箱に入れる。



湯は透明、湯口から供給された湯は第1の浴槽に流れ次に手前の浴槽に注ぐ。手前の浴槽を溢れた湯は排水口に流され去っていく。
湯口から供給される湯を掌に取り口に含むと苦みを帯びた弱い玉子味と角ある印象を覚えた。苦みのないやわらかい玉子味という記憶は過去のもので、泉質は変化しているようだ。




湯温の印象も異なる。掛かり湯ですぐさまわかるほど源泉温度は高くなっているようだ。一人っきりの浴室に訪ねる人もいない。温泉は変化が必然とはいえ、10年以上変わらぬ印象を提供してくれたこの湯がこれほど変化したことに複雑な気持ちになってしまった。




浴舎の有様はここ数年変わってはいない。数ある九州の温泉の中で最も数多く訪れているのが寺尾野温泉だ。


寺尾野温泉 薬師湯
阿蘇郡小国町大字上田字寺尾野
硫化水素泉
泉温不明
シャンプー類なし ドライヤーなし
内湯 
100円
入浴時間不明
2016/7/24